薬剤師の将来は大丈夫?雇われ薬剤師の働き方とお金の話

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仕事術
①薬剤師数の増加
②薬局多すぎる問題
③院内処方への回帰

 

①薬剤師数の増加

 

薬剤師が増えても高齢化で需要も増えるからいいんじゃないの?と思う人も多いでしょう。
しかし薬剤師は供給過多になります。
厚生労働省が出している「薬剤師の需給調査方法(案)」という資料があります。
この資料では今後の薬剤師の需要と供給のバランスをグラフで表しています。

出典:厚生労働省「薬剤師の需給調査方法(案)」より 平成30年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業
「薬剤師の需給動向の予測および薬剤師の専門性確保に必要な研修内容等に関する研究」(分担研究者 長谷川洋一 名城大学薬学部) 

 

すでに2018年度で供給が需要を超えています。そして今後需要と供給の差は広がると予測されています。国家試験の難易度調整がされる可能性もありますがそれでも供給が需要を大きく上回るでしょう。
さらにこの資料は0402通知の前に出されています。
0402通知とは簡単に言うと【薬剤師じゃない人に調剤業務の一部をさせていいよ!って厚労省が出した通知】です。今まで薬剤師しかできなかった業務の一部が調剤事務などの薬剤師の資格を持っていない人に移管できる。その分薬剤師の作業が減ります。
経営的な観点で言うと人件費の高い薬剤師は最小限の配置で、人件費の低い事務を採用し薬局を回すことができます。
すでに大手企業は薬剤師から非薬剤師への業務移管を積極的に行っています。

これらのことから薬剤師は今後供給過多になることが予測できます。

 

②薬局多すぎる問題

 

薬剤師の方なら1度は聞いたことがあるでしょう。
【薬局の数はコンビニより多い】
薬局の数は今や6万件にものぼり、コンビニの数を上回っています。
これに対して、財務省は薬局の数は今の半分でいいと考えていますし
医師会も薬局の数は多すぎるとの考えを持っています。
では仮に薬局の数が減るとどうなるでしょうか?
発行される処方箋の枚数が変わらないとすると、薬剤師の必要数は減ると考えられます。
1店舗当たりの枚数が増えることで効率よく店舗を回すことができ、薬剤師の人件費を減らせるからです。
先ほどもあげました0402通知による業務移管、機械化による調剤効率アップを行う大手企業が増えるでしょう。
今まで月に2000枚の店舗を3人で回していた薬局が4000枚を5人で回すと1人いらなくなります。
効率化のために200万の機械を購入したとしても薬剤師1名分の給与4か月程度で返済できるんですよね。
枚数が増えると機械を導入したほうが使う機会も増えるので効率的です。

これらのことから薬局の数が減ることで薬剤師の需要も減少することが予測できます。

 

③院内処方への回帰

2019年、日本医師会の中川副会長は「一定程度は院内処方に回帰すべきだ」と主張しました。
報酬改定のたびに行われる議論で、薬局は求められている役割を果たし切れていないなど批判されまくりです。政治的なパフォーマンスの面もありますが、今後院内処方に戻す大病院も増える可能性があります。
発行される処方箋が減ると、いうまでもなく必要な薬局薬剤師は減ります。
その分病院薬剤師の数が増えるでしょう。
しかし病院薬剤師の給料は調剤薬局・DSと比べると低いです。
以前病院薬剤師からDSに転職した薬剤師に話を聞いた時は、年収が1.5倍になったと言っていました。

このように院内処方箋が増えることで薬局薬剤師の需要が減り、病院薬剤師の需要が増えることが予測されます。

以上3つが『今後薬剤師の賃金は上がらない』と思っている根拠です。
皆さんはどう思われるでしょうか?

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