今回は会社で意外と教えてくれない「クライシスマネジメント」について書きます。
「リスクマネジメント」については皆さん聞いたことある方も多いでしょう。
クライシスマネジメントはリスクマネジメントと同じくらい重要です。
知らない方は今回クライシスマネジメントの重要性を認識していただければと思います。
・クライシスマネジメントとは
・クライシスマネジメントはなぜ重要か
・クライシスマネジメントで大切なこと
クライシスマネジメントとは簡単に言うと「何か問題が発生した時にその影響を最小限にするために行う対応」です。
リスクマネジメントは「問題が発生しないようにする対応」なので違いを覚えておきましょう。
説明がわかりにくい!と思った方へ例を出して説明します。
【例1】
医療業界でのリスクマネジメント
医療ミスが起こらないように2人以上でのチェック
調剤ミスが起こらないように似た名前の薬は離して置くなどの対策
医療業界でのクライシスマネジメント
医療ミスがあった際、速やかに患者を治療できる体制をとる
ミスが発覚した時の連絡ルートの標準化、対応を判断する人間を明確にする
【例2】
製造業でのリスクマネジメント
不良品が発生しないように定期的な機械のメンテナンス
混在が起こらないようにラインの近くに不要なものを置かない
製造業でのクライシスマネジメント
不良品が発生した際、どのラインで出たのかをすぐにわかるようにしておく。
早急に不良品を回収できるよう関係各所に連絡するツールを作成しておく。
イメージとして
リスクマネジメント=リスクが起こらないようにする対策
クライシスマネジメント=リスクが起こってからの対策
と考えます。
次にクライシスマネジメントがなぜ重要かという説明をします。
まずリスクが絶対に起きないということはないからです。
人は間違える生き物です。
どんなに優秀な人でも間違えてしまう可能性は0ではありません。
ミスが起こってはいけない医療現場でさえ、時々大きなミスが発生します。
なので万が一間違えたときにその対応をミスってしまえば、二次被害が発生し大惨事になります。
あらかじめミスが起こった時の対応を準備しておくことでスムーズに問題を収束することが出来ます。
そしてクライシスマネジメントで顧客評価は大きく変わります。
企業で何か問題が発生した時、対応が遅く不誠実な対応をすればその企業の評価は下がりますよね。
しかし早急に真摯な対応をすると、顧客もその対応を評価してくれます。
私も管轄店舗でリスクがあった際、即日管理責任者として謝罪対応をすることでお客さんから逆に評価していただいたことがありました。
起こってしまったことは仕方ないですが、その後早急に、真摯に対応することが大切です。
先日起こった大手薬局会長のワクチン優先問題で、市が先に謝罪会見をし遅れて薬局側は文書での謝罪対応となりました。
さらに薬局側は秘書が勝手にやった事であると主張しています。
事実はどうであれ市民の方、顧客の方の印象はどうでしょうか?
Twitterでは不買運動をするという方まで現れており企業の評価は低下してしまいました。
起こってしまった問題に適切な対応が出来なかった結果ですね。
最後にクライシスマネジメントでどのようなことを意識すればよいかを書きます。
1.標準化
リスクが起こった時にどのように対応するかを誰でもわかるように決めておきます。
誰でも対応できるように5W1Hで決めておきましょう。
また内容によっては簡単に判断できないものもあるかもしれません。
誰に判断を仰げばよいか、判断を仰ぐ部署(人)の連絡先もすぐにわかるようにしておきましょう。
2.迅速な対応
リスクの対応はスピードが命です。
時間がたつほど顧客に迷惑をかけたり、会社の信用が低下します。
ミスをすぐに発見し、スピード感を持った対応ができる仕組みを構築しなければなりません。
また、「バッドニュースファースト」という言葉があります。
悪いニュースほど早く報告しないといけないという意味です。
ミスを隠さずにすぐに報告をする教育をしなければなりません。
3.真摯な対応
顧客に迷惑をかけてしまった場合は誤魔化したり、言い訳をするのではなく真摯に対応する必要があります。
下手に誤魔化したり、責任の所在をうやむやにすると逆に信用を失います。
大きい会社ではここを間違えると、社会的信用を失い会社が傾くこともあり得ます。
わかっていても実際多くの企業が間違った対応をしたせいで、信用を失った過去があります。
顧客や消費者にどのように対応すれば満足してもらえるかを考える必要があります。
いかがでしたでしょうか?
リスクマネジメントについては社員教育をする企業も多いので、重要性をわかっている人も多いと思います。
しかしクライシスマネジメントに関しては、重要なことにもかかわらず教育される機会は多くはないでしょう。
何か問題が起こった際には、どのように対応をすればよいか普段から考えておきましょう。
そしてスピード感をもって、真摯に対応することが大切です。
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